吹きつける冬の冷たい風。
気温が低いためか、吐いた息は真っ白になる。
「ラビー! 汽車が来るの4時間後だってさー!」
後ろから聞きなれた声がそう報告する。
そう。
今、俺は大好きなと共に任務(イノセンス探しの旅ともいう)のため、フランスに来ていた。
その任務も終え、あとは教団へ帰ってイノセンスを渡すだけ。
あ、でも教団にイノセンスを持って帰るまでが任務か。
「そっかぁー。 こんな寒いのに4時間……夕方まで待つんか…」
「夜は冷えるけど待たなきゃ来ないよ」
昨日大雪が降ったせいか、汽車が遅れてくるみたいだ。
くそー。
こんなに寒いのに……タイミング悪ぃさ…。
(まぁと一緒にいられる時間が延びたから良いんだけどさ)
「4時間もあるんだから街でもぶらぶら歩いてこようよ」
「ん。 そーさな」
任務の後の一時。
それが好きな子とのデートってすげぇ舞い上がっちゃうんだけど。
隣ではにこにこしながら言った。
「ここの街はこんなに寒いのににぎやかだね」
「ああ。 子どもは風の子って言うけど、大人までがこんなにいっぱい外に出ちゃってらぁ」
「ふふ。 そうだね」
くすくすと面白そうに笑う彼女。
つられて俺も笑う。
彼女が笑ってくれさえいれば、それだけで俺は満足だった。
「季節は冬なのに………本当にここはあったかいよね」
「え?」
俺は意味がわからず聞き返した。
吹いてくる風はこんなにも冷たいのにあったかい?
は俺が考えていたことがわかっていたのか、そうじゃなくて、と付け足す。
「なんていうか……、この街、すっごく賑やかでしょ?
子どもも大人も皆笑ってて……」
「あぁ、そういう意味か」
「この街にいるだけで、なんだか寒さが吹き飛ぶなあって」
彼女はそう言ってニコっと俺に笑いかけた。
うん、そうなんだけどさ。
この街にいればちょっと寒さを忘れたんだけどさ。
俺は彼女の笑顔で胸からほこほこ体が温かくなったんですけどね。
(ちょっと愛情表現で抱きつきたくなった)
3時間もすれば、空も暗くなってきた。
空は真っ黒だけど、月が出ていて綺麗な夜だ。
街の居酒屋も賑わっていたが、街の外れの公園で一休みした。
一休みというか、二人でスノーマン作ってる真っ最中。
「できたーっ」
「ちっさいなー」
「いや、ラビのが大きいんでしょ」
が作ったのは手におさまる程度の雪だるま。
どう考えても小さい。
それに比べて俺のは……と、俺の作った雪だるま(未完成)を見やる。
今は頭の方を作っているが、既に出来あがっている胴体の部分はの膝上くらいまである大きさ。
せっかく作るなら大きくなくちゃ。
ついでに夢も大きく持たなくちゃ。
ってな感じで心をこめて作ったらこんなに大きくなったというか。
「よしっ。完成ー」
「でかッ」
「……嘘がまったく混じってない素直な感想さな」
「…素直でいいじゃない」
ふふ、といつものように笑って言う。
月明かりで照らされた彼女の顔がいつもより綺麗に見えて、思わず心臓が高鳴る。
「そんじゃー最後に二人でスノーマン作るか!」
「あ、私頭作るねー」
「じゃぁ俺が下な」
と言って二人でころころ雪玉を転がしていた。
「あっ」
「ん? どうしたさ」
「見て、これ!」
しゃがんでいる彼女が地面に積もっている真っ白い雪を指さす。
一瞬、雪がどうしたのか。と思ったが、
よく見てみると雪に埋もれてはいるけど植物の芽がひょっこりと顔を出していた。
「……芽?」
「うん、みたいだね」
「あー、もうすぐ春だけど……早過ぎねぇか?」
春がくるまでおよそ1ヶ月半。
普通なら、あと2週間程すれば出てくるはずの芽が今出ているのは早いのかもしれない。
隣にいるは多分…、と言いかける。
「多分?」
「うん、多分ね…、この街のあったかさを春のあったかさと間違えたんじゃない?
あぁ、もうすぐ春なのかって予定より早く芽を出したんじゃないのかな」
俺はのファンシーな考えを聞いて笑った。
それを見た彼女は頬を膨らます。
「わ、笑わないでよっ」
「いや、おもしれーからさ!」
「…でも、これから大丈夫かなぁ…。寒さに耐えて、ちゃんと花を咲かせれるかな…」
「……この街はあったかいんだろ。きっと大丈夫さ」
変なところで心配している彼女もとても笑えるが、そこはなんとか堪えた。
「……うん、そうだよねっ。 大丈夫か」
「ああ。 ……っつーか寒ぃなぁ…」
「そーだねー…。 あっ、もうそろそろ汽車が来るんじゃな…っひゃ!?」
俺は後ろからに抱き付いた。
良い匂いだなー髪の毛サラサラだなー、とか思いつつ彼女に甘えた。
「温かい。 人間カイロー」
「…ラビも温かいよ」
「これで寒くねぇさ。 俺もも温かくなって一石二鳥」
至近距離だったから、彼女がクスッと笑っていることがわかった。
教団でもやっていい?と聞いたら顔を赤くさせた彼女は拒否した。
「サボテン小屋」の黒田理奈様から20000hitのお祝い夢を頂いてしまいました!!
なんと私がラビが好きだということで、素敵なラビ夢を書いてくださいました、よ!!嬉しすぎます。
お話のラビが果てしなく愛しいです・・・・・・。大好きです・・・・・!!!
本当に、ありがとうございました!!